明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
新年1回目は『ボディ・コンディションスコア(BCS)』です。栄養状態の判定は、動物の腰・腹部の皮下脂肪のつき具合を視診と触診によって評価します。品種によっての違いはありますが、一般的な評価法をご紹介します。
犬のボディ・コンディションスコア(BCS)
BCS1(削痩、理想体重の半分以下):肋骨や腰骨の骨格が浮き出ている。腹部は著しくへこみ、上から見ると砂時計型に見える。尾の付け根も明瞭。
BCS2(体重不足、理想体重の86~94%):わずかな脂肪に覆われていて、肋骨や骨の突起に容易に触れることができる。腹部の脂肪もごくわずかで、腹部はへこんでいる。
BCS3(理想体重、95~106%):少しの皮下脂肪に通して、肋骨や骨格の隆起に触れることができる。適度な腰のくびれがある。
BCS4(体重過剰、理想体重の107~122%):皮下脂肪に覆われて、肋骨に触るのが難しい。骨格の隆起はかろうじて触ることが出来る。腰のくびれを観察できず、上から見ると背中が少し横に広がっている。
BCS5(肥満、理想体重の123%以上):厚い脂肪に覆われ、肋骨に触ることができない。尾の付け根は腰部の脂肪に覆われ、明確でない。上から見ると箱型、樽型に見える。
猫のボディ・コンディションスコア(BCS)
BCS1(削痩、理想体重の半分以下):脂肪に覆われないため、肋骨や骨の突起に容易に触ることができる。腰のくびれが目立ち、脇腹のヒダがない。
BCS2(体重不足、理想体重の86~94%):わずかな脂肪を通して、肋骨や骨の突起に触ることができる。上からみると腰のくびれがある。
BCS3(理想体重、95~106%):肋骨は皮下脂肪を通して触ることができるが、外見からはわからない。わずかに腰のくびれがある。脇腹のヒダが存在する。
BCS4(体重過剰、理想体重の107~122%):肋骨になかなか触れることができない。腰のくびれはほとんどなく、腹部は丸くなっている。脇腹のヒダに脂肪がつき、やや垂れ下がっている。
BCS5(肥満、理想体重の123%以上):肋骨は厚い脂肪に覆われ、触るのが困難。著しい脂肪沈着で腹部は垂れ下がり、脇腹のヒダも歩くと揺れる。顔や四肢にも脂肪が沈着している。
簡単に言えば、肋骨に触れるか、犬ではお腹のくびれがどうか、猫ではお腹に脂肪が付いているかどうかが評価の分かれ目です。人に置き換えると、BCS2はモデルさん体型、BCS4はぽっちゃり型と言えます。また、BCS1は病的な痩せすぎです。まずは、基礎疾患の有無を早急に検査することが望まれます。BCS5では肥満から生じる様々なトラブルを考慮しないとならないでしょう(詳細はメルマガバックナンバー33.34『肥満が原因で生じる主な疾患』を参照して下さい)。