No.514 フェレットの脾腫

脾臓の機能は主に造血、古くなった血球の破壊、血液の貯蔵です。脾臓の腫れを脾腫といいます。フェレットの脾臓の腫れは比較的よく見られる状態です。正常なものから腫瘍まで原因は様々です。

フェレットの脾腫は、生理的なもの、髄外造血、心筋症からの鬱血、過形成、炎症、インスリノーマ、副腎疾患、ヘリコバクター、消化管内異物、腸炎、上部気道感染症、歯牙疾患、アリューシャン病、リンパ腫などの腫瘍性疾患などで認められます。特発性(原因不明)の場合もあります。

初期は無症状の事が多いですが、巨大化すると胃腸を圧迫し、嘔吐や食欲不振を起こします。また、腫瘍性のもので破裂を起こすと、比較的元気だったフェレットが、急に虚脱や失神、場合によっては死亡することもあります。

診断は、触診、レントゲン検査、超音波検査、血液検査、FNA(細胞診)などを組み合わせて行います。とくに、腫瘍性疾患との鑑別は早期に行う必要があります。細胞診は鎮静、麻酔が必要な場合があります。

治療は原因疾患の治療と、検査で大きな問題がなければ、対症療法や経過観察を行いますが、腫瘍が疑われる場合、巨大化して胃腸の圧迫が激しい場合は外科的に摘出を考慮します。脾臓を失っても、生存には問題がありませんが注意深く判断します。


フェレットは脾腫がよく起こります

こちらもご参照下さい
No.178 脾臓の病気