ヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー)の卵詰まり、もしくは卵の前段階の殻のない卵胞が詰まる卵胞鬱滞は命に係わる大きな疾患です。これらを直接引き起こす原因は以下のようなものが考えられます。
・産卵場所が適切な環境でない
・低カルシウム血症
・卵管の感染症
・栄養状態が悪い
・同居の個体に産卵を邪魔される
・重度の肥満
・初産
症状はお腹がふっくらとしていて元気食欲がないという場合が多いです。卵胞鬱滞では卵胞に感染が生じて卵胞が破けてしまうことがあります。そうすると卵黄(卵胞の中身)が体腔内に漏れ出て強い炎症が起こります(体腔炎)。体腔炎が起こるとより重症化します。
診断は、症状、レントゲン検査、エコー検査、血液検査などの結果から総合的に行います。治療はカルシウム剤とオキシトシン剤の投与、栄養の補給、環境の整備です。適切な産卵場所を作るのは重要です。
産卵するための部屋は、底の浅いタッパーなどを使用し蓋に孔を空けます。この穴は出入口です。 中が狭すぎると産卵してくれないのである程度の動きがとれる広さが必要です。部屋の中には床材を敷きます。ヤシガラ土、黒土、赤玉土、水苔、バーミキュライト、パーライトなどが使用できます(誤食には十分注意してください)。これらを適度に湿らせておきます。乾燥しすぎでも湿らせすぎでも産卵してくれなくなります。
どうしても産卵してくれない場合は外科手術が必要になります。手術はどれだけ体力が残っているかによって大きく結果が異なります。待ちすぎると体力が落ちて外科手術の成功率が落ちます。
卵詰まりのヒョウモントカゲモドキ