中~高齢のフェレットによく見られる病気の1つに副腎疾患があります。腎臓の近くにある、副腎という左右1対の小さな臓器が肥大化または腫瘍化します。異常を起こした副腎からエストロゲンなどの性ホルモンが過剰に分泌されることにより、脱毛(毛が生え辛くなる)や痒み、メスでは陰部の腫大、オスでは前立腺の肥大により尿が出にくくなります。また、体臭がきつくなる、尿漏れ、攻撃的になる、乳頭が目立ってくるなどの症状が出る場合もあります。
上記の様な症状がみられたら、診断のため、超音波検査で左右の副腎の大きさや厚み、血管との位置関係などを評価します。副腎疾患のフェレットは、特定の性ステロイドホルモン(エストラジオール、17αヒドロキシプロゲステロン、アンドロステネジオン、DHEA-S)の血中濃度の上昇がみられます。採血をしてこれらのホルモン値を測り、正常値と比べることでも診断できますが、費用が高いこと、正確性に欠けるなどの問題点があります。
フェレットの副腎疾患はゆっくり進行する病気です。外科的な治療では、開腹手術で実際に肉眼で副腎に異常があることを確認し、異常があればそのまま摘出します。内科的な治療では、リュープリンというホルモン注射を打って症状が改善するかどうかを観察します。
フェレットの副腎疾患では尻尾の脱毛も多くみられます