今でも稀に「結石を作るからミネラルウォーターって与えちゃいけないんですよね?」と聞かれることがあります。「そんなことはありません、どんどん飲ませてあげて下さい」が答えなのですが、根拠をみてみましょう。
水には主にカルシウムイオンとマグネシウムイオンが含まれていて、水1000ml中に溶けているカルシウムとマグネシウムの量を表わした数値を「硬度」といいます。
硬度=カルシウム量mg/l×2.5+マグネシウム量mg/l×4
WHO(世界保健機関)の基準では、硬度が120mg/l以下を「軟水」、120mg/l以上を「硬水」といいます。簡単にいうと、カルシウムとマグネシウムが多く含まれる水が硬水になります。また、一般的には、硬度0~100mg/lを軟水、101~300mg/lを中硬水、301mg/l以上を硬水と分けています。
見た目は同じですが、優しく感じたり重く感じたり、水にも違いがあるのはこのためです。成分の違いから、一般的に軟水は口当たりが軽く、硬水はマグネシウムが多いほどしっかりした飲みごたえを感じます。
よく見かける水の硬度をみてみましょう。
富士山のバナジウム天然水 硬度29 mg/l
アクアクララ 硬度29.7 mg/l
サントリー天然水 硬度30 mg/l
いろはす 硬度31 mg/l
クリスタルカイザー 硬度38 mg/l
日本の水道水の平均 硬度51 mg/l
横浜市の水道水 硬度56 mg/l
ボルビック 硬度60 mg/l
六甲のおいしい水 硬度84 mg/l
エビアン 硬度291 mg/l
コントレックス 硬度1468 mg/l
エビアンが中硬水、コントレックスが硬水以外はみんな軟水です。日本の水道水や横浜市の水道水の硬度より下のものがほとんどです。つまり結石を気にしてミネラルウォーターを与えてはいけないというのはナンセンスです。また、エビアンやコントレックスを長期に与えても、このくらいのカルシウムの量では、水のせいで結石を作ることはないと思われます。横浜市の水道水も決して悪くありませんし、ミネラルウォーターも動物に与えて全く問題ありません。