生命活動に重要な多くの働きを持つタンパク質は、その質を評価する方法として「アミノ酸スコア」や「生物値」が使われます。アミノ酸スコアは必須アミノ酸のバランスを、生物価は窒素の体内利用率をそれぞれ100を最高とした数字で表しています。
食品に含まれている必須アミノ酸がどれくらい満たされているかでアミノ酸スコアは算出されます。タンパク質を構成する窒素1g あたりに占める各必須アミノ酸のmg 数で表され100に近い数値であるほど理想的です。また、アミノ酸スコアはそれぞれのバランスがとても重要です。
図にあるように、1つの必須アミノ酸を、1つの板にみたてた桶に例えて考えてみましょう。左の桶は、アミノ酸スコア100の場合を記しています。全てのアミノ酸が満たされていることで、桶の高さを作り、桶の中の水(タンパク質)がこぼれないようになっています。この状態のときに、体のなかでは十分なタンパク質が生成されると考えられています。
それに対して、右の桶はリジンが不足することにより、リジンの高さまでしか水(タンパク質)をためることができません。つまり、板の長さが1枚でも短いと(アミノ酸含有量が1つでも少ないと)それだけのタンパク質しか生成できないことを示します。