No.125 去勢手術・不妊手術 (Castration・Spay)

去勢手術・不妊手術のメリット、デメリットを解説します。

まずはメリットとして
・将来の病気の予防となる
雄の場合:前立腺肥大、各種の精巣腫瘍、肛門周囲腺腫、会陰ヘルニア
雌の場合:乳腺腫瘍、卵胞嚢腫などの各種の卵巣疾患、子宮蓄膿症などの各種の子宮疾患
やっかいな病気が多いです。
・発情に関する問題がなくなる
猫の過発情などの原因は卵巣疾患ですが、動物の性欲は1次本能です。1次本能とは、ヒトにおける食欲、睡眠欲などの生きていく上で我慢が難しいものをいいます。ヒトには理性があり性欲をコントロールしていますが、動物では性欲は食事や睡眠と同じくらい抑えるのが困難な本能です。『発情している時に交配出来ないのは、お腹が空いている時に目の前にごちそうを出されて食べてはいけないと言われている状態』と例えられます。適切な時期に去勢・不妊手術を行うことで動物も心の安定を得られます。
・問題行動の発生の可能性が減る
雄猫のスプレーや雄犬の攻撃性などの発生の可能性が減少します。
・飼い主のいない子供が生まれなくなる

デメリットとしては
・子供が得られなくなる。
・全身麻酔下の手術が必要
・太りやすくなる
・雌犬の攻撃性が増進される場合がある(稀)。

上記のようなことを鑑みて、最終的には飼主さんの判断になりますが、極端に言えば『子供を得たいかどうか』この1点に尽きると思います。子供がいらないのであれば手術をしてあげた方がヒトも動物も快適に過ごせると思います。 そして手術を受けるなら、生後5ヶ月目~7ヶ月目くらいがお勧めです。乳腺腫瘍や問題行動に関しては、この時期を逃すと病気や問題の発生率が上がります。