No.8 ペットフードと手作りフード

ペットフードと手作りフード

『ペットフードと手作りフードは、どっちが良いですか?』よく聞かれる質問です。昨今は動物の栄養学も進歩し、ペットフードも良質になり多くの種類がペットショップや量販店に並んでいます。年齢や品種のみならず、病気の予防を謳ったもの、嗜好性を追及したもの、高級感を売りにしているものなど様々です。以前にペットフードのメーカーの方に聞いた話ですが、日本の猫ちゃんたちが食べているタイで作られているフードの材料のお魚は、現地の人たちが普段食べている魚より高級なんだそうです…

一昔前までは「同じペットフ-ドをずっと与えていれば良いんだよ。」と、おっしゃる獣医さんが多かったと思います(今でもそういう考えの獣医さんもいます)。また「手作りフードの方が優れているに決まっているじゃないか」という考えの先生もいます。書籍やインターネットでも両方の意見がありますね。また、ペットフードを推奨していても「いろんな種類の製品を使うべきだ」という意見もあります。

個人的には『それぞれのメリット・デメリットを理解して、飼い主さんと動物が楽しくて負担の少ない(食事は毎日のことですからね)方を臨機応変に使えばよい』と思っています。もちろん、年齢や栄養状態や病気については考慮する必要があるでしょう。

以下は、ペットフードと手作りフードを比べた場合の利点と欠点です。

1 ペットフードは用意が簡単ですが、手作りフードは時間と手間がかかります。

2 ペットフードの方が一般的には安価です。

3 ペットフードの方が防腐剤、添加剤が多くなります。

4 手作りフードに各栄養素をバランスよく入れるのはなかなか大変です。

5 手作りフードは原材料がよくわかります。

6 手作りフードは水分が多くなるため量が増えます(満腹になるという利点はありますが、とくに大型犬や一気食べのワンちゃんには、胃拡張や胃捻転のリスクがあります)。

7 血液の中の蛋白質(とくにアルブミン)が低下しやすく、尿素窒素(BUN)が上昇しやすくなります。

8 手作りフードの方が美味しく作れます。

以上のことを考慮して、みなさんの負担のないよう楽しく毎回のお食事を考えてあげて下さい。4や7のようなことを考えると、本格的に手作りフードだけでやっていくには、定期的な血液検査や尿検査、検便が必要だと思います。また、個人的に8は重要だと思います。