No.60 犬は飼主に似る

飼主さんと飼主さんにそっくりの犬が、仲良く散歩されているのを見かけたことはありませんか?そっくりとはいかないまでも、なんか似ているな、というペアまで含めれば、多くの方が見かけた経験があるのではないかと思います。

関西学院大の中島定彦教授(文学部・動物心理学)は、ドッグショーの会場で40頭の犬と20~60代の飼主さん40人を無作為に選んで写真を撮影し、その写真を、その飼主さん方と全く面識のない学生に提示して、正しい飼主さんと犬のペアを選ばせました。正解が最多だったペアと最下位だったペアを比べると、75%の学生が前者を似ていると答えました。また、犬と飼主さんを正しく並べた写真20組と、わざと間違えて並べた20組を提示して、どちらが正しいかを選ばせると67%が正しいペアを選ぶという結果になりました。

以上から、学生は似ていることに注目してペアを選んでいると推測され、中島教授は『客観的に飼主と飼い犬は似ている』と断定されています。また、飼育期間が短くても同じような結果が出ているため、『次第に似てくるというよりは、最初から自分と似た顔の犬を選択している可能性がある』とされています。その他に、この実験は、飼主の性別、年齢、飼育期間は正解率には関連性はありませんでしたが、長い髪の女性は垂れ耳の犬を、短い髪の女性は立ち耳の犬を飼っている傾向がみられたと報告しています。

同じ様な調査が、方法は違いますが、アメリカやベネズエラでも行われており、いずれも『客観的に飼主と飼い犬は似ている』という結果が出ています。

このような結果が出る理由として、中島教授は、『ヒトは見慣れたものに好感を抱く性質があるためでは』と推論されています。

これからは、性格についても検証されていくそうです。『犬と飼主の性格は似ている』みなさんは、どう思われますか?